戻りバチの寿命や対策とは?蜂の巣駆除の注意点や流れも解説
蜂の巣を駆除したのに、巣があったところに蜂が飛び回っているのであれば、それは戻りバチの可能性が高いです。せっかく大変な思いをして駆除したのに、また蜂が飛んでいて頭を抱えている方もいるでしょう。
どうして蜂の巣を駆除した場所に戻りバチが現れるのでしょうか。
この記事では戻りバチが戻ってくる理由や蜂の種類別の特徴と注意点、蜂を自分で駆除する方法や、戻りバチ対策について、詳しく解説します。
戻りバチは危険性も高いですから、正しく対処して安全に生活できるようにしましょう。
目次
戻りバチとは
戻りバチとはその名の通り、蜂の巣を駆除した場所に戻ってくる蜂のことです。蜂にはミツバチ・アシナガバチ・スズメバチなどいくつもの種類がありますが、どの蜂でも駆除した巣があったところに戻ってきた蜂のことを戻りバチといいます。
蜂の巣を駆除した際、適切な対処をしておかなければ、高確率で戻りバチが現れます。蜂自体危険な虫ですが、戻りバチは巣がなくなっていることで攻撃性が高くなっていることが多いです。家の外で飛んでいるからと何もせずそのままにしていると、家の中に入ってきてしまうこともあります。
戻りバチの寿命
戻りバチは帰るべき巣を失っている蜂なので、数日から2週間程度で寿命を迎えるのが一般的です。それほど戻りバチの数が多くない場合は、放置していてもしばらくすると見かけなくなるでしょう。
ただし、戻りバチの中に女王蜂がいた場合、同じ場所に巣を作ってしまう可能性があります。4月から5月にかけて戻りバチが現れた場合は、女王蜂がいる可能性が高いので注意が必要です。6月以降に蜂の巣を駆除した場合、女王蜂は巣の中で産卵している時期なので、戻りバチの中に女王蜂がいる可能性はほとんどないでしょう。
蜂の巣の駆除後に蜂が戻ってくる理由
蜂の巣を駆除したのに、どうしてその場所に蜂が戻ってくるのでしょうか。蜂の巣を駆除した場所に蜂が戻ってくる理由をいくつか紹介します。
1. 駆除した時にいなかった
蜂は朝から夕方の時間帯に巣の外に出かけて、巣の材料やエサを集めます。蜂の巣を駆除したのが昼間だった場合、ほとんどの働きバチが外に出かけている状態のため、巣を駆除してもそこで生活していた蜂は生きている状態です。蜂にはもともと帰巣本能があって、巣が駆除されていても巣があったところは覚えているため、戻りバチになってしまいます。
2. 駆除する時に逃げた
蜂の巣を駆除した時に巣に蜂がいたとしても、駆除がうまくいかなかった場合は、蜂が外に逃げ出してしまいます。巣にいる蜂を取り逃すことなく殺虫剤をかければ、全てそこで駆除できるのですが、殺虫剤に驚いて巣を逃げた蜂は、時間が経つと巣があったところに戻ってきてしまうのです。
3. 引越し中の巣を駆除した
キイロスズメバチ、チャイロスズメバチ、モンスズメバチなどの蜂は、巣が小さくなると巣を別のところに変える習性があります。引越し中の新しい巣を駆除した場合、古い巣にはまだまだたくさんの蜂がいる可能性があります。古い巣に残っていた蜂が新しい巣に引っ越そうと駆除した場所に戻りバチとして現れてしまいます。近くに巣が二つある場合は、古いほう・新しいほうどちらとも駆除しなければ、戻りバチになってしまう可能性が高いです。
蜂の種類別の特徴や注意点
蜂にはさまざまな種類があり、種類によって特徴や巣を作る場所、巣の大きさが異なります。それぞれの種類の特徴や注意点を把握しておきましょう。
1. ミツバチ
黒い胴体に黄色の縞模様でおなじみのミツバチは、10〜20ミリ程度の体長です。ミツバチは蜂の中ではおとなしいほうで、攻撃性は低めといえます。こちらから刺激を与えない限りは、攻撃してくる心配はありません。
しかし、冬の間は巣に備蓄したハチミツをエサにして春まで過ごすため、この期間は巣に近づいただけで攻撃をしかけてくることもあります。毒を持っていますが、他の蜂よりは比較的弱いです。
ただ、ミツバチはフェロモンで仲間を呼び寄せる習性があり、一匹に刺されてしまうと、大量のミツバチに襲われてしまう可能性があります。またミツバチの針は抜けづらい形状になっており、針が体に残っていると、その間に毒が体内に回ってしまいます。
ミツバチが巣を作るのは天井裏や床下などの狭い場所です。板のように平らな巣が重なってぶら下がっている状態になり、大きな巣では1メートル以上にもなります。
2. アシナガバチ
長い手足が特徴的なアシナガバチは、胴体が細く、11〜26ミリ程度の体長です。黄色の縞模様やオレンジと黒の縞模様、斑点模様など動体の種類はいくつかあります。4月から10月にかけて、活発に活動する蜂です。
刺激を与えなければ攻撃性が特段高い蜂ではないのですが、種類によっては攻撃性が高いものもいます。また、巣への執着心が強いため、巣に近づくと攻撃されてしまう可能性があるので注意しましょう。巣を大きくする6〜8月頃は、特に攻撃性が高いです。
スズメバチと比べるとアシナガバチの毒は比較的弱いですが、刺されるとアナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。アシナガバチの中でも、セグロアシナガバチ・コアシナガバチ・キアシナガバチは強い毒を持ち、攻撃性も高い種類です。
アシナガバチの巣は5〜20センチ程度で、ミツバチやスズメバチの巣と比べるとそれほど大きくはなりません。お椀をさかさまにしたような形が特徴で、巣の穴が見えます。巣が大きくなってくると、円盤のような形になり、色は灰色になります。巣を作る場所は、外壁やベランダ、木などです。木の繊維を素材として巣を作っているため、丈夫ですが外壁はありません。
3. スズメバチ
スズメバチは体長が17〜45ミリ程度とミツバチやアシナガバチよりも大きく、オレンジ色と黒の縞模様や黄色と黒の縞模様が特徴的です。ミツバチやアシナガバチと比べて攻撃性は非常に高く、巣から少し離れている場所にいるだけで攻撃されることもあります。スズメバチは4月頃に巣を作り始め、7月頃までにどんどん働き蜂が増えます。元々攻撃性が高い蜂ですが、この期間は特に攻撃性が高いので注意しましょう。
スズメバチは毒性が非常に高いうえ、毒液が残っている間は何度でも刺して攻撃してくることもあります。何度も刺されると毒が回りやすく、アナフィラキシーショックを引き起こして死亡してしまったケースも少なくありません。また毒針からフェロモンを含んだ毒を噴射してくることもあり、噴射された場所には仲間のスズメバチが集まってくるため非常に危険です。
スズメバチは雨風をしのげるような屋根裏や軒下などの閉鎖的な空間に巣を作ります。また、土の中に巣を作ることもあるようです。木の繊維を材料として作られる巣は、紙でできているような質感に見えます。
女王蜂だけで巣を作る初期は、お椀をさかさまにしたような形の巣です。コガタスズメバチという種類は、徳利を逆さにしたような巣を作ります。繁殖して働き蜂が増えると、巣はどんどん丸く大きくなっていき、表面がマーブル模様になるのが特徴です。
自分で蜂を駆除する方法
巣の駆除は非常に危険なので、プロに依頼することが望ましいですが、自分で駆除できないということではありません。ご自分で蜂の巣を駆除したいという方のために、蜂を駆除する方法を解説します。
用意するもの
蜂の巣をご自分で駆除する際はまず以下のものを揃えましょう。
● 合成ピレスロイド系の殺虫剤
● 長い棒
● 防護服
● 防蜂ネット
● 厚手の手袋
● 長靴
● ゴミ袋
● 赤いセロファンを被せた懐中電灯
蜂の巣を駆除する際、防護服なしに行うのは絶対にNGです。蜂駆除用の防護服の貸し出しを行っている自治体もあるので、まずは問い合わせてみましょう。専用の防護服は数万円することもあり、自治体での貸し出しがない場合は、厚手の長袖長ズボンを着た上から厚手のレインコートを着用する方もいるようです。黒や紺などの暗い色は蜂が寄ってきやすいので、白や白に近い色を選びます。
養蜂の際に使われる防蜂ネットは、インターネットやホームセンターなどで購入できます。見つからない場合はヘルメットをかぶり、目元はゴーグルで覆います。できればフルフェイスのヘルメットがおすすめです。首元はタオルで隠します。
素肌が見える部分がないようにしましょう。紹介したもの以外で代用しても構いませんが、必ず厚手のものを選んで身を守ってください。殺虫剤は1本だと足りなくなってしまうこともあるので、多めに用意しておくほうがよいでしょう。
蜂の巣の駆除手順
では蜂の巣を駆除する手順を順番に解説していきます。安全性を保つために、必ず手順通りに行いましょう。
1. 蜂の巣の表面に殺虫剤を噴射する
巣から2〜3メートル離れた場所から蜂の巣の表面に殺虫剤を噴射しましょう。蜂が巣から出てきますが、そのまま2・3分噴射を続けてください。巣の入り口を狙って噴射すると効果的です。
いきなり巣に近づくと攻撃される危険性が高いので、最初は距離を取り、噴射を始めて2・3分経ったら少しずつ近づき、入り口に向かって噴射を続けましょう。巣の中に残っている蜂が出てくることはありますが、すでに殺虫剤が効いている状態なので、気にせず噴射を続けます。巣の周囲に飛んでいる蜂がいれば、殺虫剤を吹きかけてください。
2. スプレー後、蜂の巣を長い棒で落とす
噴射を続けて巣の中から蜂が出て来なくなったら、巣の下にゴミ袋を置き、長い棒を使って巣を落とします。巣を落としている時に外に出ていた蜂が襲ってくることがありますので、残らず駆除しましょう。大声を上げると刺激してしまうので、慌てず駆除してください。
3. 付近に殺虫剤を撒く
巣があったところやその近くに殺虫剤を撒きます。こうすることで戻りバチの中に女王蜂がいても再び巣を作られにくいです。1週間程度は続けて殺虫剤を撒きます。
4. 燃えるゴミで破棄する
最後にゴミ袋の口を小さくして、念の為殺虫剤を噴射しましょう。しっかり口を結んだら、燃えるゴミとして破棄します。
蜂の巣を駆除する際の戻りバチの対策
せっかく蜂の巣を駆除しても、戻りバチが現れると危険です。蜂の巣を駆除する際にしておきたい戻りバチ対策を紹介します。
1. 夕方以降に駆除する
蜂は朝から夕方にかけて外に出かけていることが多いです。そのため日中に巣を駆除すると、高確率で戻りバチが現れてしまいます。巣を駆除するのは夕方以降に行いましょう。暗い中での作業になりますが、懐中電灯をそのまま使うと蜂が光に向かってくるので、必ず赤いセロファンを被せた懐中電灯を使用してください。
2. 忌避剤を使用する
蜂の忌避剤が市販されています。インターネットならさまざまな種類のものが手に入りやすいです。忌避剤を巣があったところの近くに置き、戻りバチが戻って来られないようにしましょう。
殺虫剤にも蜂の忌避効果がある成分が含まれていますので、定期的に巣があったところ周辺に殺虫剤を散布するのもおすすめです。雨が降ったら殺虫剤の効果はなくなってしまうので、雨の翌日は特にしっかり散布しておきましょう。
3. 捕獲トラップを仕掛ける
蜂を捕獲する木に吊るすタイプのトラップや、粘着シートなどが売られています。万が一、戻りバチが現れても、トラップを設置しておけば安心です。蜂の巣を駆除した後に、すぐ仕掛けておきましょう。
危険が伴う蜂の巣駆除はプロにお任せ!
蜂はご自身で駆除することもできますが、用意しなければならないものも多いですし、危険も伴います。せっかく巣を駆除しても後の対策が十分でなければ戻りバチが戻ってきてしまう可能性もありますから、蜂の巣の駆除はプロにお任せするのがおすすめです。プロの駆除なら戻りバチ対策をしっかりしてくれますし、蜂の巣の処分まで一貫して任せられます。
「お近くの蜂の巣駆除センター」は蜂の巣駆除のプロ集団で、知識と経験豊富なベテランスタッフが蜂の巣を確実に駆除します。年中無休で24時まで対応しており、当日駆除も可能です。見積りは無料で土日祝割増、夜間割増もないため、安心してご依頼いただけます。
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まとめ
どの種類の蜂でも家の周りに巣があると、安心して暮らせません。また、せっかく苦労してしても、対策をしていないと戻りバチが現れてしまいます。ご自分で蜂の巣を駆除する場合は、今回紹介した方法を参考に、しっかり戻りバチ対策をしましょう。
蜂の巣駆除は準備も作業も大変ですし、大変危険です。高い位置に巣がある場合は、足場なども必要になります。安全に、そして確実に蜂の巣を駆除するには、プロに相談するのがおすすめです。蜂の巣ができて困っている方は、即日対応も可能な「お近くの蜂の巣駆除センター」にご相談ください。