ジガバチの巣を放置するリスクは?法的責任や正しい退治方法を解説
ジガバチは、公園や街中など、身近な場所にいる蜂です。あまり聞きなれない名前かもしれませんが、自宅の庭先に潜んでいる可能性もあるため注意しましょう。
この記事では、ジガバチの生態や巣の特徴、放置するリスクなどについて詳しく解説します。ジガバチの危険性や退治方法を知りたい方は、ぜひチェックしてください。
目次
ジガバチとはどんな種類の蜂?6つのポイントでわかりやすく解説
ジガバチは、アナバチ科に属する蜂の総称です。種類によって異なりますが、体は全体的に黒く、腹部にオレンジや黄色の鮮やかな模様が入っています。胸部と腹部の間が細いことも大きな特徴です。
ジガバチの体長は、雄と雌で異なります。雄の体長は19mm程度、雌の体長は23mm程度です。以下、ジガバチの特徴や生態を詳しく解説しますので、チェックしておきましょう。
1.ジガバチは日本全国に生息している
ジガバチは、北海道から沖縄まで、全国に生息しています。またユーラシア大陸の広範囲にも分布しているのが特徴です。ミツバチやアシナガバチなどと比べると知名度の低い蜂かもしれませんが、公園や街中、家の庭先など、身近な場所に存在している可能性もあるため注意しましょう。
2.ジガバチにはさまざまな種類がある
国内で見かける主なジガバチの種類は、以下のとおりです。
- フジジガバチ
- サトジガバチ
- モンキジガバチ
- アメリカジガバチ
- ヤマトルリジガバチ
- キゴシジガバチ
- ミカドジガバチ
- タイワンモンキジガバチ
キゴシジガバチは在来種ですが、外来種も増えつつあります。たとえばアメリカジガバチは、戦後に日本に入ってきた外来種です。
3.ジガバチは基本的に単独で行動する
ジガバチは、ミツバチやスズメバチのような社会性をもっておらず、基本的に集団で行動することはありません。大きな巣の中で集まって生活したり、集団で狩りをしたりすることはなく、単独行動をします。親が卵を産み、幼虫に餌を与えることはありますが、成長したあとは単独で行動するのが大きな特徴です。
4.ジガバチは土や外壁の中に巣を作る
ジガバチは、地面や建物の外壁に穴を開けて巣を作ります。空き地や戸建住宅の庭、草むらなどで、巣作りを行うケースも多いでしょう。地面にボコボコと穴が開いていたり、外壁に土が付いていたりする場合は、ジガバチが巣を作っているかもしれません。
ジガバチは巣を掘ったら、小石や砂で穴を隠してから狩りに出かけます。穴を掘るときに羽が擦れて「ジガジガ」と聞こえたことが由来となって、ジガバチという名前が付けられたという説もあります。
5.ジガバチはクモやイモムシを捕食する
ジガバチは、狩りによって餌を集める「狩りバチ」です。幼虫に与えるために、クモやイモムシを毒によって麻痺させて捕え、巣に運びます。獲物が腐ってしまわないよう生きたまま捕え、そこに卵を産んで幼虫の餌にするのです。
親のジガバチは卵を産んだあと、小石や砂利で巣にフタをして出ていきます。巣穴から幼虫に餌を与える種もいますが、基本的に巣に帰ってくることはありません。卵からかえったジガバチの幼虫は、新鮮な餌を食べて成長し、巣穴を出て単独で行動します。
6.ジガバチの活動時期は5〜9月頃
ジガバチの幼虫は、5〜9月頃に羽化して活動を始めます。春から夏の終わりにかけて、公園や庭などでジガバチを見かけることもあるでしょう。7月以降は、ジガバチが新たに巣作りを開始するタイミングであり、行動的になるため注意が必要です。
ジガバチに刺されたときの対処法
ジガバチに刺されてしまったときは、その場から離れて症状を確認する、刺された部位を水で洗う、抗ヒスタミン剤を含む薬を塗る、といった応急処置を行いましょう。以下、ジガバチの攻撃性なども含めて詳しく解説します。
ジガバチの攻撃性は低い
ジガバチの攻撃性はそれほど高くはありません。基本的にはおとなしいタイプの蜂であるため、刺激をしなければ攻撃してくる可能性は低いでしょう。
ただし、むやみに近づいたり、攻撃するような素振りを見せたりすると、身を守るために人を刺すケースもあります。スズメバチのように集団で人を襲うようなことはありませんが、毒性のある針をもっているため注意しなければなりません。小さな子どもやペットなどが知らずに近づき、刺されてしまうこともあるため、ジガバチを見かけたときは静かにその場から離れましょう。
ジガバチに刺されると痛みが生じる
ジガバチの針には毒があるため、刺されると痛みを感じます。攻撃性の高いスズメバチやアシナガバチほどの毒性はありませんが、患部が腫れたり体調が悪くなったりする可能性もあるため、気になる場合は内科や皮膚科を受診しましょう。
ジガバチに刺されたときの応急処置
ジガバチに刺されたときは、以下のような手順で対処しましょう。
(1)ジガバチから離れて症状を確認する
まずはすぐにその場から離れましょう。10m程度、離れることが大切です。身の安全を確保できたら、症状を確認します。
前述のとおり、ジガバチの毒性はそれほど強くはありませんが、人によっては局所症状や全身症状が現れるケースもあるため注意しましょう。局所症状とは、刺された部位の痛みや腫れ、かゆみなどのことです。自宅での応急処置で済む場合も多いのですが、激しい痛みの場合は病院を受診しましょう。
全身症状としては、吐き気、めまい、息苦しさ、頭痛などが挙げられます。重い場合、じんましんや呼吸困難、意識障害などの症状が現れるケースもあるため注意しなければなりません。とくにアレルギーをもっている人は、アナフィラキシーショックを起こす可能性もあるため、すぐに病院を受診しましょう。
(2)刺された部位を水で洗う
次に部位を水で洗いましょう。指で毒を絞り出すようにして洗うのがポイントです。ジガバチの毒はタンパク質で構成されており、水に溶けやすい性質をもっているため、大量の水を流しながら洗うと効果的です。
毒を口で吸い出すようなシーンを見たことがあるかもしれませんが、危険なため避けましょう。ジガバチの毒が唾液に溶けてしまい、体内に入り込んでしまう可能性があるからです。口の中が痺れるケースもあるため、水で洗うようにしましょう。
ちなみに、針が残るのはミツバチに刺された場合のみであるため、ジガバチの場合はとくに気にする必要はありません。
(3)抗ヒスタミン剤を含む薬を塗る
刺されてしまった部位が赤く腫れたり、強い痛みを感じたりするときは、抗ヒスタミン剤を含む薬を塗りましょう。抗ヒスタミン剤を含む虫刺され用の塗り薬は、一般的なドラッグストアなどで購入できます。抗ヒスタミン剤には、かゆみやじんましんを緩和する作用があるため、早めに塗っておくと効果的です。
(4)刺された部位を冷やす
刺された部位を、保冷剤などで冷やすことも大切です。冷やすことで周辺の血管が収縮して、ジガバチの毒が吸収されにくくなります。毒が血管に入るのを遅らせることもできるため、できる限り冷やしておきましょう。
(5)症状が悪化した場合は病院を受診する
ここまで紹介したような応急処置により、症状が緩和された場合は問題ありませんが、なかなか症状がよくならないときは病院へ行きましょう。皮膚科やアレルギー内科などを受診すると、適切な対応をしてもらえます。とくに、吐き気やめまい、全身のかゆみといった症状が出ている場合は、すぐに病院を受診することが大切です。
ジガバチの巣を放置するリスクは?法的責任が問われる可能性も!
ジガバチの巣を放置すると、家族や近隣住民が刺されるリスクがあります。それぞれのリスクについて簡単に確認しておきましょう。
1.自分や家族が刺されるリスク
自宅の庭や外壁にジガバチの巣があったとしても、焦らずに対処すれば問題ありません。ジガバチはおとなしく、基本的に人を攻撃することはないからです。
ただし、意図せずに近づいてしまい、刺されてしまう可能性もあるため注意しましょう。とくに小さな子どもがいる場合は、知らずに近づき、刺激してしまう可能性があるため、早めに駆除しておくのがおすすめです。
2.近隣住民が刺され法的責任を問われるリスク
ジガバチの巣を放置することには、近隣住民が刺されるリスクもあります。たとえば自宅の外壁にジガバチの巣があり、近隣住民が刺された場合、法的責任を問われる可能性もあるため注意しましょう。
民法の第717条には、建物の所有者には管理責任があり、他人に損害を与えたときはその損害を賠償しなければならないことが記載されています。自宅に住みついたジガバチが原因で、近隣住民が怪我をするなど何らかの損害が生じた場合、損害賠償を求められる可能性もあります。気になる場合は、早めに駆除しておくとよいでしょう。[注1]
[注1]e-Gov法令検索:民法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
ジガバチの巣を駆除するならプロに依頼するのがおすすめ!
ジガバチはスプレーなどを使って自分で駆除することもできますが、刺される可能性もあるため注意が必要です。安全に退治したいときは、プロに依頼するとよいでしょう。
自分で駆除するのが難しい場合は、「お近くの蜂の巣駆除センター」へご依頼ください。年中無休で営業しており、最短15分で駆除できます。お見積りは無料ですので、お気軽にご連絡ください。
https://hachi-kujyo.net/
まとめ
今回は、ジガバチの特徴や巣を放置するリスクについて解説しました。ジガバチはおとなしいタイプの蜂ですが、むやみに刺激すると攻撃される可能性もあります。家族や近隣住民が刺されるリスクもあるため、ジガバチの巣を見つけたら、プロに依頼をして早めに駆除しておくとよいでしょう。