どんな時にハチは攻撃してくるの?
ハチが何の理由もなく人を襲うことはほとんどありません。巣や身の危険を感じたときに攻撃してきます。また甘い匂いを好むため、洗濯物の柔軟剤の香りや、香水、整髪料に引き寄せられて近づいて来る場合もあります。そして一般的に知られている「黒いもの」を狙う習性があります。自分には何も原因はないのに、と思っていた場合でも、近くに巣がある、香りが強いものが近くにある(身に着けている)、黒い服を着ている、などハチが攻撃してくる理由は隠れています。ハチが攻撃してきた場合は、ハチを刺激しないようにしましょう。慌てて逃げる、手で追い払う行動や、大きな声を出すのはNGです。黒い服や頭などを隠しながら、ゆっくりと巣から離れてください。巣がありそうな森や木の多い場所へ行く際は、甘い匂いや服装の色に気を付け、もし遭遇してしまったときも慌てず、適切に対応しましょう。ご自宅の敷地内にいてハチが襲ってくる場合は、近くに巣がある可能性がありますので、チェックしてみてください。
ハチに刺されやすい人や行動ってあるの?
同じ状況にいてもなぜか自分にだけハチが寄ってくる、という経験のある方もいるかもしれません。その時、何色の服を着ていましたか?ハチは黒いものを攻撃するという習性があると言われています。そのため、ハチのいる同じ状況下でも、白色の服を着ている人よりも黒色の服を着ている人に襲い掛かってきます。そしてハチは甘い香りを好みます。香水や整髪料の香り、匂いが強い柔軟剤を使用した服などにも引き寄せられてやってきます。ほかにもハチは、素早い動きや大きな音に反応し、攻撃されている!と感じるため、ハチに遭遇した際に、大きな声で騒ぐ、手を振って追い払おうとする、その場から急いで逃げようとする行動はハチを刺激することになります。ハチの巣がありそうな自然の多い場所に行く場合は、黒っぽい色の服は避け、匂いもきつくないように気をつけましょう。遭遇した場合も、頭を隠し、ゆっくりとその場から離れてください。それらを気を付けるだけで刺される確率は減るでしょう。
スズメバチに刺されると死んでしまうの?
危険なイメージが強いスズメバチですが、実際、年間で10名以上の方が亡くなっているという現状があります。餌を求めてほかのハチの巣を襲うこともあり、とても狂暴なハチです。そんなスズメバチに刺されたとき、100パーセント死に至るということではありません。刺された際に起こるアナフィラキシーショックによって、アレルギー反応が出ます。東京都福祉保健局のHPに「ひどくはれたり、じん麻しん・めまい・吐き気・息苦しいなどの症状があったら、すぐに医師の診察を受けます」とある通り、重度のアレルギー反応によっては最悪の事態に繋がってしまいます。刺されてしまった場合は、毒は水に溶けやすいので、まず患部を水で洗い流します。噂レベルで知られている「毒を口で吸いだす」方法は絶対にやめてください。毒が口から体内に入り込み、毒が回る危険性があります。刺されてしまっても、慌てずに医療機関で受診するなど、適切な対応を取りましょう。(引用:東京都福祉保健局「スズメバチ」)
ハチは何度でも攻撃できる?何度も刺せるの?
ハチは針で攻撃してきますが、何度も攻撃できるかは、種類によって変わってきます。ミツバチは針で人を指すと、針を引き抜くことが出来ず、体からちぎれてしまうため、そのまま死んでしまいます。しかし、スズメバチは人を指しても、針が体からちぎれることがないため、何度でも針で攻撃することが出来ます。また、針で攻撃してこないハチもいます。それはクマンバチの種類のハチです。クマンバチは餌を取る際に針を使うため、攻撃に針を使用しません。そしてあまり知られていないかもしれませんが、オスバチは攻撃してきません。針で刺してくるのはメスバチです。とはいえ、見ただけでオスメスを見分けるのは困難です。針で刺してこないクマンバチの種類のハチは、全体的に丸みのあるシルエットで、足が太いです。ミツバチやスズメバチのように、全体的に細い体付きの場合は、刺してくる場合が高いですので、ハチを興奮させるような行動をしないようにしてください。
ハチミツは、どのハチからも採取できるの?
ハチといえば針で刺してくる怖いイメージがありますが、ハチミツを作り出してくれる良い面もあります。では、ハチミツはどのハチでも作れるのでしょうか?正解はNOです。ハチミツを作れるのはミツバチだけです。ミツバチのメスはいろいろな花、およそ500本の花から蜜を吸い上げ、体内でハチミツを作ります。そうやって出来たハチミツを働きバチ、オスバチ、幼虫で食べます。一方で、スズメバチなどは肉食です。幼虫を集めて、肉団子を作り、スズメバチの幼虫に食べさせています。スズメバチの成虫は幼虫から出る甘い液を餌にしています。人が口にしているハチミツは、養ハチ場でミツバチを飼っている養ハチ家によって集められたものです。ハチミツは健康食品としても知られ、スイーツや飲み物など幅広く使用されています。また、ミツバチが花から花へと飛ぶことで、花粉が運ばれ、果物や野菜の受粉に役立っています。ミツバチがせっせと集めてくれたハチミツに感謝したいですね。
スズメバチに2回以上、刺されると死ぬって本当?
「スズメバチに刺されると死んでしまうの?」という質問でもお答えしましたが、スズメバチの被害によって、年間で10名以上の方が亡くなっているという現状があります。しかし、スズメバチに刺されたとき、100パーセント死に至るということではありません。刺された際に起こるアナフィラキシーショックによって、アレルギー反応が出ます。一度刺され、体内にハチの毒の抗体が出来ると、二度目に刺されたときにアレルギー症状が強く出やすくなる傾向にあります。そのため、二回目以降が危険だと言えます。重度のアレルギー反応によっては最悪の事態に繋がってしまいます。刺されてしまった際は一度目と同じように、患部を水で洗い流しましょう。噂レベルで知られている「毒を口で吸いだす」方法は絶対にやめてください。毒が口から体内に入り込み、毒が回る危険性があります。刺されてしまっても、慌てずに医療機関で受診するなど、適切な対応を取ることが大切です。
ハチは何を食べているの?
ハチは種類や成虫・幼虫によって餌が変わります。狂暴なスズメバチの幼虫は肉食なので、成虫から与えられた昆虫を食べます。幼虫は大きな顎がありますが、うまく噛み砕くことが出来ません。そのため、成虫は昆虫を捕まえたあと、昆虫を噛み砕き、肉団子にして幼虫に与えます。一方で、成虫は昆虫を噛み砕くことは出来ますが、飲み込むことができません。成虫は幼虫が出す分泌物を舐めて、糖分やたんぱく質を摂取します。また、木の樹脂、花の蜜、熟した果物も食べます。女王蜂も成虫と同じようなものを食べますが、肉食でもあるので、幼虫を食べたり、成虫が捕まえてきたミツバチの幼虫を食べることもあります。ハチミツを作るミツバチは、花粉を食べ、生成したハチミツを食べます。成虫、幼虫、同じようなものを食べます。ハチを近寄らせないよう、こういった餌になるものを遠ざけるか、もしくは捕獲のためのトラップに餌を仕掛けるなど、知識を上手に利用するといいでしょう。
ハチの巣は、どこに作るの?作りやすい場所は?
ハチの種類によって巣を作る場所は違いますが、全体的なことでいうと、「天敵から巣を守れる」「雨風や直射日光などの自然から受ける被害を防げる」「餌を捕獲しやすい」などがあげられます。私たちの暮らしで考えた場合、家の軒下、庭木、ベランダ、屋根裏などに巣を作られることが多いでしょう。種類別にあげると、スズメバチは昆虫を捕まえやすい森や林で、木の根元や土の中に作ります。まれに住宅地でも巣作ることもあるので危険です。ミツバチは様々な閉鎖的な場所に巣を作ります。そのため、先ほど例にあげたような屋根裏など、人間が暮らす場所で見かけることが多くなります。また、アシナガバチはミツバチよりもさらに人間の生活圏内に巣作りをします。開放的な場所にも巣を作るので、小さなお子さんやペットなどが被害に遭わないように注意がより一層必要です。森や林でスズメバチの巣を見つけた場合は、慌てず頭を隠してゆっくりとその場から離れましょう。ミツバチやアシナガバチの巣を家の敷地内で見つけた場合は、専門の駆除業者に相談してください。
ハチの寿命は?冬眠するの?
寿命も餌や巣作りと同様に、ハチの種類によって違ってきます。スズメバチの成虫の寿命は4~5週間です。冬を乗り越えることが出来ず、冬を前に死んでしまいます。冬近くに羽化したとしても冬の寒さに耐えることは出来ません。アシナガバチもスズメバチと同じように冬を越えることなく死にます。女王蜂も同じです。しかしスズメバチもアシナガバチも、次の女王蜂になる成虫のみ冬眠をして冬を越します。次の女王蜂になる成虫は、交配後、木の隙間や土の中など寒さをしのげる場所を探し、春に卵を産むまでじっと耐え抜きます。ミツバチは巣にハチミツを貯めこみ、集団で体を寄せ合うことで冬を越すことが出来ます。ミツバチの寿命は数か月と言われています。ミツバチの女王蜂の寿命は3~4年にもなるというから驚きです。冬を越えられないスズメバチやアシナガバチの巣は空っぽになりますが、ほかの生き物に住みつかれる場合もありますので、見つけたら撤去することをおススメします。
スズメバチの天敵は?
代表的な天敵は「クマ」です。クマはスズメバチの巣を襲い、幼虫や蛹、巣まるごと食べてしまいます。スズメバチも針で攻撃しますが、クマの堅い毛には効き目がありません。クマがハチに刺された場合も解毒能力があるため、スズメバチには勝ち目がないのです。スズメバチが黒色に反応して攻撃してくるのは、クマを攻撃する本能からでしょう。また、「ハチクマ」という鳥もスズメバチの巣を襲います。分厚い羽によってスズメバチの針の攻撃をカバーし、巣の中の幼虫などをひなに食べさせます。鳥でいうと、野生のニワトリはスズメバチを食べます。しかし一般的に飼育されているニワトリは栄養価の高い餌を与えられているので、スズメバチを食べることはないようです。昆虫でいうと、「オニヤンマ」が有名です。スズメバチとは捕食関係にあるため勝った方が相手を食べます。ほかには、蜘蛛の巣を張ってスズメバチを捕まえて食べる「クモ」、鎌で攻撃する「カマキリ」などが天敵です。
昨年と同じ場所にハチの巣が出来ている。なぜ?
「ハチの巣は、どこに作るの?作りやすい場所は?」でもお伝えした通り、「天敵から巣を守れる」「雨風や直射日光などの自然から受ける被害を防げる」「餌を捕獲しやすい」場所がハチにとって巣を作る最適です。そのため、一度、そういう場所を見つけると、また同じ場所にハチが来て巣を作ってしまうのです。女王蜂が春に巣を作る前に対策が必要です。昨年、巣を作られてしまった場所に応じて対策を取りましょう。屋根裏に作られていた場合は、屋根裏へ侵入出来てしまう場所をチェックし、目の細かいネットを取り付ける、壁の隙間を埋めるなどの対策を取ります。軒下やベランダの場合は、ハチ用の殺虫剤を使用し、女王蜂を寄せ付けないようにします。庭木の場合は、伐採することをおススメします。ハチにとって住み心地がいい状態を壊すことで二度と巣作りさせないようにしましょう。また、人が普段あまり出入りしない物置や倉庫などの場所は、こまめに見るようにしたり、殺虫剤を置くと良いです。
オスが刺さないのはなぜ?
オスバチには針がないため刺せません。針を持っている働きバチは全部メスです。ハチの針は、産卵管が変化したもののため、産卵管がないオスには針がないのです。オスバチは女王蜂の繁殖期に子孫繁栄のためにいるため、働かず巣で過ごします。そのため、巣や自分自身を守るための針が必要ありません。女王蜂は交尾をするとメスが生まれ、受精していない卵からオスが生まれます。そのことから、何かで女王蜂が死でしまった場合、ほかのメスバチ(働きハチ)が女王になったとしても交尾をしないとメスが生まれないため、働かないオスバチのみになり、やばて巣は滅びてしまいます。オスバチは子孫繁栄のための役割を果たすとすぐに死んでしまいます。オスバチには針がなく、人を刺すことはありませんが、しっかりとした顎で噛みつくことがあります。オスバチはほぼ巣の中にいますが、オスかメスか見た目では区別がつかないので、とにかくハチを見かけたら、その場から離れましょう。