蜂の寿命とは?スズメバチなど種類別の蜂の一生や早急に駆除すべき理由
春や夏には見かけることが多い蜂。「怖いな」と思いながらも、それほど数が多くなかったり、近くに巣がなかったりする場合は「いつか寿命を迎えるだろう」と放っておく人もいるかもしれません。では、蜂の寿命はどのくらいなのでしょうか。
今回は蜂の種類ごとの寿命や蜂の一生、蜂の注意点や駆除しなかった場合のリスクについて詳しく解説します。蜂の種類によっては命に関わることもありますから、できるだけ早い対処がおすすめです。
この記事を参考にして、蜂の生態や注意点を把握しましょう。
目次
蜂の一生とは?種類ごとの寿命を紹介
代表的な蜂で、日本でも見かけることが多いスズメバチ・ミツバチ・アシナガバチの種類ごとの寿命や孵化から成虫までの期間などを紹介します。同じ蜂でも種類によって寿命や生態は異なるので、どんな違いがあるのか知っておきましょう。
スズメバチ
日本でよく見かける蜂のなかで、最も攻撃性が高く、被害件数も多いのがスズメバチです。
スズメバチといえば毒のある針を持っているイメージがあるかもしれません。しかし、毒を持っているのは実は雌だけです。
スズメバチはスズメバチ属・クロスズメバチ属・ホオナガスズメバチ属・ヤミスズメバチ属の4種類があり、ヤミスズメバチ以外は日本に生息しています。
スズメバチは、冬になると女王蜂以外が寿命を迎えます。冬眠するのは女王蜂だけです。
スズメバチの寿命は以下のようになっています。
● 働きバチ:1〜3カ月程度
● 雄バチ:1〜2カ月程度
● 女王蜂:1〜3年程度
毒を持っているのは雌だけで、また、働きバチも雌のみです。雄バチは冬になる前に女王と交尾し、そのまま寿命を迎えます。
働きバチは、卵から1カ月程度で成虫になり、エサを集めたり巣の材料を集めたりして働きます。個体にもよりますが、11月頃には寿命を迎えるのが一般的。ただ、なかには12月に入っても生き残っている働きバチもいます。
女王蜂は4〜5月頃に冬眠から目覚め、巣を作り始めて産卵します。卵から成虫になるまでの期間は30日程度です。
秋頃に誕生した働きバチのなかから次の女王蜂を選び、新しい女王蜂は働きバチとは異なるエサを与えられて、働きバチよりひとまわり程度大きく育ちます。働きバチが寿命を迎える頃に、女王蜂は雄バチを連れて巣を離れ、集団交配をして卵を埋める状態になって冬眠します。
女王蜂は越冬するものの、巣の外で冬眠するので、冬の間はスズメバチの巣は空の状態です。ただ、スズメバチの巣を住処にするアシナガバチもいます。
ミツバチ
ハチミツを作ることでも知られているミツバチは、攻撃性の低い蜂で、こちらから刺激しない限り、滅多に攻撃してくることはありません。蜂のなかでは寿命が長く、冬の間にも見かけることがあるでしょう。
ミツバチは働きバチも女王蜂と一緒に冬を越します。ミツバチの寿命は以下のとおりです。
● 働きバチ:1〜6カ月程度
● 雄バチ:30〜60日程度
● 女王蜂:2〜8年
ミツバチはエサとなるハチミツを巣の中に溜めているため、冬の間でも食料に困ることはありません。また、大量のミツバチが集まって体を震わせることで、熱が生まれ、寒い冬でも巣の中が暖かくなります。巣の中の温度は30度前後まで保てるといわれており、これがミツバチが長生きできる理由です。
ミツバチの働きバチは全て雌で、雄バチは針を持っておらず、花の花粉や蜜を集めることもできません。女王蜂と一緒に交尾のために出かけて、交尾に成功するとすぐに寿命を迎えます。
逆に交尾に成功しないとそのまま巣の中で暮らしますが、花粉や蜜が集められなくなる秋頃になると雄バチは巣から追い出され、そのまま寿命を迎えてしまうのです。
多いときで巣の中に5〜6万もの蜂がいるミツバチですが、女王蜂はたった1匹でたくさんの卵を産みます。1日の産卵数は1000〜2000個ともいわれており、受精卵と未受精卵を産み分ける能力を持っています。普段は雌が誕生する受精卵を産みますが、4〜6月の繁殖期には未受精卵を産んで、多くの雄を誕生させるのが特徴です。
卵から成虫になるまでの期間は30日程度。働きバチは孵化から3日目までは巣の掃除を行い、4〜15日目まで子育て、15〜20日目までは巣作りや巣の門番、20日目以降は花粉や蜜を集めに出かけていきます。
アシナガバチ
見た目は危険なイメージがあるかもしれませんが、こちらから刺激を与えなければ攻撃してくることはあまりありません。ただ、スズメバチ同様に毒性のある針を持っているので、刺されてしまうと最悪の場合は死に至ることもあります。
アシナガバチはスズメバチと同じで、女王蜂だけが越冬する蜂です。アシナガバチの寿命は以下のようになっています。
● 働きバチ:1〜2カ月程度
● 雄バチ:1〜4カ月程度
● 女王蜂:1年程度
アシナガバチの女王蜂は8月頃に誕生し、越冬して4〜5月頃に目を覚まして巣を作り始めます。巣に生み付けられた卵が成虫になるまでにかかる期間は50日程度です。成虫が活発に活動する6〜7月頃になると女王蜂は産卵に専念し、働きバチは巣作りやエサ集め、卵や幼虫のお世話をするようになります。
新女王蜂が巣を飛び立つ9〜10月頃まで働きバチはせっせと働き、新女王と一緒に飛び立ちますが、働きバチは寒さで寿命を迎えてしまいます。元々の女王蜂はこの時期に寿命を迎え、新女王蜂は木の穴や民家の屋根裏などで越冬して次の春を迎えます。
雄バチもほとんどの場合、10月頃に寿命を迎えますが、アシナガバチの種類によっては雄バチも女王蜂と越冬するものもあるようです。
女王蜂の寿命が長い理由とは
蜂の種類によって女王蜂の寿命は異なりますが、寿命が短いアシナガバチでも女王蜂は1年生きますし、ミツバチに至っては2〜8年程度も生きます。どうして女王蜂は寿命が長いのでしょうか。
1. 子孫を残す役割があるから
スズメバチ・ミツバチ・アシナガバチの働きバチは雌ですが、一つの巣の中で卵を産めるのは女王蜂だけです。女王蜂は春から秋にかけて卵を産み、自分の寿命を迎える前に女王蜂を育てます。春に巣を作り始めるのも、卵を産むのも女王蜂にしかできないため、女王蜂は越冬する能力があり、他の蜂よりも長い寿命になるのです。
2. 越冬する能力がある
スズメバチの女王蜂は、食料を補給することなく冬眠して冬を越します。ミツバチは働きバチが体を震わせて熱を作るため巣の中が常に暖かく、冬眠することなく快適に冬を越します。
アシナガバチの女王蜂は、冬の間の越冬場所を見つけ、エネルギーを使わないようにじっとして冬を越す能力を持っています。それぞれ次の産卵期を迎えるために越冬能力を持っているため、働きバチや雄バチのように冬に寿命が尽きてしまうことがありません。
3. 食べているものが違う
ミツバチは孵化して3日目までは女王蜂と同じようにローヤルゼリーを食べますが、4日目以降はハチミツと花粉を食べます。しかし、女王蜂は生まれたときからローヤルゼリーをたっぷり食べて成長するため蓄えている栄養が全く異なるのです。
他の蜂も女王蜂と働きバチでは食べるエサが異なるため、女王蜂だけ体が大きく、たくさん卵を産め、越冬する能力を持った蜂に育ちます。
蜂が凶暴になる夏は特に注意!気を付けるべきポイント
比較的攻撃性の低いミツバチやアシナガバチも、夏の終わり頃から秋にかけては注意が必要です。ミツバチの場合はこの時期にスズメバチの攻撃を受けるため、巣を守るために攻撃性が高くなり、アシナガバチは働きバチも外敵から仲間や巣を守るために攻撃性が増してしまいます。
普段から攻撃性が高いスズメバチも、夏の間は働きバチの数が一番多いため非常に危険です。この時期に被害に遭わないために気をつけたいポイントを紹介します。
1. 蜂を刺激しない
こちらから刺激しない限り攻撃してこないミツバチやアシナガバチも、攻撃されていると認識すれば襲ってくる可能性が高いです。蜂が近くに寄ってきたからといって、手や棒で払ったり、石を投げたりすれば、攻撃されていると思って襲ってくるので注意しましょう。
また、無闇に巣に近づくと、蜂は巣を攻撃されると認識して襲ってきます。巣が家の近くや庭にできると気になってしまうかもしれませんが、近づかないようにしましょう。
2. 強い匂いを避ける
蜂は強い匂いに反応します。匂いの強いヘアスプレーや香水、化粧品をつけたり、芳香剤を使用したりしないようにしましょう。強い匂いに反応した蜂が襲ってくる可能性があります。また、甘い匂いにも反応して寄ってくるので、食べ物にも気をつけてください。
3. 大声を出さない
蜂は音にも敏感です。大声を出すと蜂は攻撃されたと認識して、襲ってくる場合があります。いきなり蜂に遭遇したり、家の中に蜂が入ってきたりすると、びっくりして大声を出してしまいそうになるかもしれませんが、危険なのでぐっと我慢しましょう。
4. 黒や色の濃い服を着ない
蜂は黒い色を敵だと判断して襲ってくる習性があります。また、スズメバチやアシナガバチは、黒か白しか色を判断できないため、濃い色の服を着ていると黒だと認識されてしまう可能性が高いです。黒や色の濃い服を避け、白や明るいトーンの服を着るようにしましょう。
5. 活発に活動する日中は特に注意
働きバチは朝から夕方に活動を行いますが、特に日中は活動が活発です。巣が近くにある場合、日中は多くの蜂が飛び回っている可能性もあります。この時間帯は特に刺激を与えないように注意しましょう。
蜂の寿命を待って駆除しないリスク
「働きバチは寿命が短いから放っておいても大丈夫かな」と思っている方もいるかもしれません。しかし、蜂の寿命を待って駆除しないでいるとリスクがあります。危険を避けるためにも、どんなリスクがあるのかを知っておきましょう。
1. 凶暴化する夏などに怪我をする可能性がある
凶暴化する夏から秋にかけての時期は、刺激したつもりがなくても蜂に襲われて怪我をしてしまう可能性があります。
しかし、怪我だけで済めばまだいい方です。スズメバチやアシナガバチに刺されてアナフィラキシーショックを起こすと、最悪の場合は命に関わります。
2. 近隣住民に被害が及ぶ
自分自身や家族は気をつけて過ごしていたとしても、自宅や庭に巣を作られて放置していると、近隣住民にも被害が及んでしまいます。何らかの被害が出たとしても、あなたに非があるわけではありませんが、責任は感じてしまうでしょう。
3. 繁殖して新たな巣を作られる
スズメバチやアシナガバチは冬の前に巣を離れて越冬しますが、春を迎えると再び巣を作って繁殖します。駆除しなければ毎年女王蜂が巣を作り続けるので、いつまで経っても蜂はいなくなりません。
また、蜂は古い巣を材料として新しい巣を作ることがあるので、そのままにしておくと蜂が寄ってくる危険性があります。
4. 害鳥の住処になることも
冬になって蜂がいなくなったスズメバチやアシナガバチの巣を、害鳥が住処にしてしまうことがあります。蜂が去ったと思った矢先、今度は害鳥のフンなどによる汚染被害が発生してしまう可能性があるのです。
寿命を待つよりも早めの駆除が大切!
蜂の駆除は大掛かりで危険もともなうイメージが強いので、「寿命を迎えていなくなってくれればいいな」と思っている方も多いかもしれません。
しかし、1匹の蜂が寿命を迎えたとしても、どんどん蜂は生まれますし、翌年にまた巣を作られてしまう可能性もあります。蜂が自然にいなくなることはないので、被害を受ける前に早めの駆除が必要です。
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まとめ
蜂の種類は多く、それぞれ特徴が異なります。たとえばスズメバチは攻撃性が高いものの、毒を持っているのは働きバチの雌バチのみです。
ミツバチは攻撃性が低く、こちらから刺激しなければ攻撃されることはあまりないでしょう。アシナガバチもまた、こちらから刺激しなければ攻撃されるケースはあまりないものの、毒性のある針を持つため、注意しなければなりません。
すべての蜂に共通しているのが、女王蜂の寿命の長さです。子孫を残す役割がある女王蜂は他の蜂と食べるものが異なり、越冬する能力を持ちます。
比較的攻撃性の低い種類の蜂も、夏の終わり頃から秋にかけては巣を守るために攻撃性が増す傾向です。
蜂は自然にいなくなることがないため、安全のためには早めの駆除をおすすめします。蜂の被害が怖いと感じるときは、決して放置せず、早めにプロの駆除業者へと相談しましょう。