ミツバチの特徴や巣の正しい駆除方法を分かりやすく解説
ハチミツを作ることで知られているミツバチは、攻撃性があまり高くないといわれています。しかし、家の近くにミツバチの巣ができてしまったら、困ってしまう方が多いでしょう。家に被害をもたらしたり、他の虫を呼んでしまう可能性もあるので、巣を見つけたら早めに対処するのがおすすめです。
そこで今回は、ミツバチの特徴やミツバチの巣を放置した場合のリスクや、正しい駆除方法について解説します。ミツバチに巣を作られてしまったら、正しい方法で安全に対処しましょう。
目次
ミツバチの特徴は?
ハチにもいろいろな種類がいますが、ミツバチは体長が約12mmと他のハチと比べてかなり小柄なハチです。体全体に毛が生えていて、黄色と黒の縞模様をしています。この縞模様を見て、ミツバチだとわかる方も多いかもしれません。
人間を襲ってくる攻撃性の高いスズメバチやアシナガバチと異なり、スズメバチは比較的温厚です。危険性を感じない限り、自分から人間を刺すことはほとんどありません。ただし、一匹が刺すと、他のミツバチも一気に襲ってきます。
また、一度人間や動物を刺すと、ミツバチは死んでしまいます。ミツバチが一度人や動物を刺すと針が抜けないようになっており、飛び立とうとしたときにお尻がちぎれてしまうためです。
巣の大きさにもよりますが、大きい巣なら5万匹ものミツバチが中で生活しています。アシナガバチの巣は多くても300匹程度、スズメバチの巣で多くても4,000匹程度といわれているため、ミツバチがかなり多いことがわかります。小さな巣だったとしても、たくさんのミツバチが暮らしている可能性があるのです。
ミツバチが活動する時期
他の種類のハチは女王蜂のみが冬を越すのですが、ミツバチは群全体が冬を越せます。そのため活動を開始する時期は2・3月と他のハチよりも早く、10・11月頃まで活動します。
ミツバチは温厚な性格で、自ら人を攻撃することは滅多にありませんが、毎年活動を始める2・3月、冬を越す準備を始める10・11月はいつもより攻撃性が高くなる時期です。それ以外も安易に巣に近づくのは危険ですが、これらの時期は特に気をつけて巣に近づかないようにしましょう。
また、春から夏にかけて、元々の巣から前の年の女王蜂と半分の働きバチがお引っ越しをします。この時期、木の枝などに大量のミツバチが留まっていることがあるのですが、これはお引っ越しの最中です。大量のハチを見つけたら「駆除しなければ」と思うかもしれませんが、少し経てば巣を作る場所に移動していきます。刺激しないようにして、移動するのを待ちましょう。
ミツバチが巣を作りやすい場所
「巣がどこにあるかはわからないけれどミツバチが最近飛んでいる」という場合は、ミツバチが巣を作っているかもしれません。ミツバチが巣を作りやすいのは、床下や屋根裏、倉庫の中、壁の隙間、木の内部にできた空洞などあまり人目に触れない場所のことが多いです。ただ必ずしも人目に触れない場所というわけではなく、軒下やベランダ、木の枝に作ることもあります。
ミツバチの巣はクリーム色のような板が何枚も垂れ下がっているような形状です。ただ、巣を大きくしている間はミツバチがその巣を囲って密集していることもあります。
ミツバチの巣を放置するリスク
ミツバチは攻撃性が低いと知っている方は、ミツバチの巣を見つけても放置してしまっているかもしれませんね。しかしミツバチの巣をそのままにしておくと、思いもよらない被害が出る可能性があります。
1. 害虫を引き寄せる
ミツバチは花などから蜜を集めて、巣の中に貯めていきます。人間にはあまり匂わないかもしれませんが、その蜜の匂いに誘われてアリやゴキブリなどを引き寄せてしまうかもしれません。
また、秋になると自然界の餌が減ってくるため、スズメバチやアシナガバチがミツバチの巣を襲ってくることもあります。スズメバチやミツバチに襲われた後の巣の周りには大量のミツバチの死骸が残ってしまうので、とても不衛生です。その死骸を求めて別の害虫が引き寄せられる可能性もあるでしょう。
2. 家屋が傷む
ミツバチは冬を越せるハチです。次の春になると元々の女王蜂と半分の働きバチは引っ越していきますが、新しい女王蜂と残った働きバチがその巣で生活を続けます。巣が大きくなってどんどん蜜が溜まっていくと、蜜が巣から漏れ始め、その蜜が家屋に使われる木材を腐らせてしまう可能性があるのです。
3. 糞や蜜による汚染被害
ミツバチは巣の周りを移動しながら糞をします。糞は数mm〜数十mmと大きくはないのですが、家の壁や洗濯物に付着する可能性が高いです。特に白いものの上で糞をする習性を持っているため、せっかく洗濯した洗濯物の上で糞をしてしまうかもしれません。
また、ミツバチの巣から漏れた蜜が壁や床、天井裏などを汚してしまうこともあります。水漏れもしていないのに天井にシミができてしまった場合、もしかしたらミツバチが巣を作っているかもしれませんね。
ミツバチの巣の正しい駆除方法
もしミツバチの巣を見つけたら、正しい方法で巣を駆除しましょう。ミツバチの巣を駆除する3つの正しい方法を解説します。
1. ミツバチ駆除に対応している専門業者に依頼する
ミツバチを含めたハチの駆除に対応している業者があります。ミツバチの巣を見つけた場合はもちろん、家の周りにミツバチがたくさん飛んでいて巣がある可能性がある場合も、業者なら場所を突き止めて駆除してくれるので安心です。
ハチの巣はあっという間に大きくなって、大きくなればなるほど駆除に時間もコストもかかるので大変です。不安に感じたら、できるだけ早く業者に依頼して駆除してもらいましょう。
2. 自治体に依頼する
自治体によってはミツバチの駆除を無料で行ってくれる場合があります。無料での駆除を行なっていない場合でも、補助金が出るケースもあるので、まず自治体に問い合わせるかホームページで確認してみましょう。無料や補助金が出る場合は、業者に頼むよりも安く済む場合があります。
ただし、日時指定ができない場合もあるので、その点も併せて確認しておきましょう。また、スズメバチやアシナガバチの駆除には対応しているけれど、ミツバチには対応していないというケースもあるようです。
3. 養蜂場に引き取ってもらう
ミツバチは益虫なので、「攻撃もしてこないのに殺すのはちょっと…」と感じる方もいるかもしれません。その場合におすすめなのが、養蜂場にお願いして引き取ってもらう方法です。
養蜂場がミツバチの巣を引き取ってくれる際は、殺虫剤を使わずに生きたままミツバチを引き取ってくれます。費用がかかる場合もありますが、養蜂場によっては無料で引き取ってくれることもあるようです。
殺すのに抵抗があるのであれば、最寄りの養蜂場を調べてみましょう。
ミツバチの巣を自分で駆除するのは危険?
ミツバチの巣の正しい駆除方法を3つ紹介しましたが、「ミツバチは穏やかだし自分で駆除できるんじゃないの?」と感じている方もいるかもしれません。ハチや巣を駆除する専用のスプレーもありますし、自治体によっては補助金が出ない代わりに防護服を貸し出してくれることもあり、ミツバチの巣を自分で駆除する人もいます。
ただ、ミツバチの巣を自分で駆除するのは、思っている以上に危険です。ミツバチは温厚な性格をしていますが、巣を攻撃されているとわかったら人間を攻撃してきます。また、1匹が攻撃してくると、他のミツバチも攻撃してくるので大変危険です。
前述のとおり、ミツバチの巣は大きいもので5万匹が生活しています。かなりの数が生活してるミツバチの巣から、一斉にハチが飛び出してきて襲われる可能性もあるのです。
また、ミツバチは屋根裏や壁の隙間、床下など駆除しづらい場所に巣を作ることが多いです。軒下や木の枝ならまだ駆除はしやすいかもしれませんが、場所によっては怪我をしてしまう恐れもあるでしょう。
さらに、蜜がたくさん詰まっているミツバチの巣は見た目以上に重いです。うまくミツバチを駆除できて巣を取り除く場合でも、巣から蜜が漏れてくるので周りはベタベタになってしまいます。
このような理由から、ミツバチの巣を自分で駆除するのはあまりおすすめできません。もしご自身で駆除する場合は、しっかり準備して安全第一で作業するようにしてください。
ミツバチの巣の駆除はプロへの依頼がおすすめ
ミツバチの巣を駆除する正しい方法を3つ紹介しましたが、一番おすすめなのは、ミツバチ駆除のプロである専門業者に依頼する方法です。
ミツバチなどの蜂の巣駆除を専門としている業者は、ノウハウをしっかり理解しており、迅速に対応してくれます。
駆除までに待つ時間も比較的短くて済むでしょう。タイミングによっては、依頼してすぐに対処してくれることもあります。
巣を取り除いた後の死骸の処理なども業者が全ておこなってくれます。また、「ミツバチがたくさん飛んでいて巣がありそうだけど、巣が見つからない」という場合に巣を調べてくれるのもおすすめの理由です。
調査費用がかかりますが、業者によっては巣があった場合で駆除を依頼すれば調査費用が無料になることもあります。
巣が大きくなってからでは駆除が大変なので、早めにプロに依頼して対処しておきましょう。
まとめ
ミツバチは穏やかな益虫ですが、攻撃すれば刺される可能性は十分にあります。ミツバチの巣を見つけたら、今回紹介した正しい駆除方法で駆除するようにしましょう。ご自身で駆除する方法もありますが、安全性を考慮すると避けた方が無難です。
「すぐに巣を駆除したい!」「巣の場所がわからないけれどなんとかしたい」という方は、お近くの業者への相談をおすすめします。